高度肥満に対する外科治療は術後合併症が存在している

術後合併症

高度肥満に対する外科治療は確実な減量効果をもたらしますが、他の多くの外科治療と同じように術後合併症が存在します。副作用のない薬物療法がないのと同様に、合併症のない外科治療はありません。

肥満外科治療は1950年代から始まり60年あまりの歴史の中で手術合併症に対するさまざまな知見が蓄積されています。1990年代半ばに腹腔鏡下手術が減量手術に導入されると、開腹手術時代と比較して手術合併症が著明に減少し、手術の安全性が高まりました。同時期に肥満人口が急増したことも相まって、世界的に減量手術の件数が増大してきました。手術の種類によって、どのような合併症が、術後どの時期に、どれくらいの頻度で起こりうるのかという知見が蓄積され、それらの診断に至る方法、そして対処の仕方についてのフローチャー卜も米国肥満外科学会により作成されています。

現在、世界で施行されている標準的な減量手術には、前項に示した4種類がありますが、手術のターゲットは胃または胃と小腸になりますので、減量手術において基本的には上部消化管外科手術で起こる合併症がみられます。

しかし、高度肥満症患者には体脂肪の量的·質的異常状態が認められ、それによって引き起こされる特殊な病態に関連した特徴的な合併症が起こる可能性がありますので(23頁参照)、それらについても十分な知識と対処が必要になります。

手術合併症を予防すること、早期に診断し適切な処置を行えることは肥満外科治療を安全に導入し、そして普及させていくうえで必須です。

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