調製食品としてのフォーミュラ食は一般食による食事療法との違い

フォーミュラ食は、どのような経緯で生まれたのですか。

肥満症治療には、摂取エネルギー制限が有効と考え、1960年代に「全飢餓療法」が施行されました。また、「小量の蛋白摂取療法」も試みられましたが、いずれも、筋肉組成が減少しました。そこで、窒素バランスが負にならないよう蛋白質1.2~1.5g/kg、ビタミン、ミネラルを十分含む「蛋白保持調整食=protein-sparing modified fasting」を試みたところ、減量、糖尿病改善が報告され、原理的に確立されました。その後、突然死が認められたため、詳細を調べたところ、蛋白質としてコラーゲン水解物を用いていたことが判明し、蛋白は、必須アミノ酸を十分に含んだものであることとするよう、警告が出されました。

こうした経過を経て、蛋白保持調整食=protein-sparing modified fastingに必要な調製食品としてフォーミュラ食が開発され、医学的に安全であることが証明されたものが現在、用いられています。1袋に蛋白20g (乳蛋白、卵蛋白を含有)、各種ビタミン、微量ミネラルを含有しパウダー状となったもので、総エネルギーは、180~200kcalです。これに水を約400mlを入れて溶かし、食事の代わりに、1日1回摂取します。超低エネルギー食療法(600kcal/日)を行う場合、フォーミュラ食を1日3~4袋利用すれば、栄養学的には問題なく、実施可能です。

一般食による食事療法との違いは何ですか。

成人の高度肥満者が、一日総摂取エネルギー500~800kcalのPSMF療法(VLCD療法)を行う場合、一般食で必要とするビタミン、ミネラルなどの各種栄養素を十分摂取し、かつ必須アミノ酸含有蛋白60~80gを満たすのは容易ではありません。蛋白補充が不十分となり、健康障害を起こす可能性があります。

一方、フォーミュラ食を用いると、原理的には安全で確実に効果をあげる方法となります。医学的に検証されているものに、「オプティファースト」「マイクロダイエット」「オべキュア」があります。

1日3~4袋を用いる完全法は、現在では入院時に急速減量が必要な場合に限られます。1日3食、1,600~2,000kcalのうち、1食をフォーミュラ食に置き換える方法(部分利用法)でも、継続すれば、体重減少のみならず、糖代謝·脂質代謝·血圧の改善効果があり、高い認容性も考慮すれば、むしろ、こちらが推奨されます。

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