肥満症治療チームの結成と運用の仕方 (チーム医療の活用)

肥満症治療チームの結成

肥満症治療の最終目的は体重を減らして肥満関連合併症を減らすことですが、だからといって単に体重を減らすだけでは目標に達することはできません。合併症を含めた肥満の病態は複雑であり、高度な知識と技術を有する専門家(代謝内分泌科、循環器科、呼吸器科、外科、整形外科、麻酔科、形成外科、婦人科など)による集学的医療が必要です。なかでも栄養管理は減量治療の根幹ですが、減量と栄養障害回避を両立できるよう、管理栄養士が重要な役割を担います。手段としては、フォーミュラ食を用いるのも一つの方法です。

肥満症治療チームを結成するにあたり特に大切なのは、肥満症患者が有する心理社会面の問題に取り組む体制づくりです。肥満症患者は特有の認知行動特性を持ち、精神疾患の有病率も高いため、チームには心療内科医·精神科医や臨床心理士の存在が欠かせません。また、ほとんどの例で成育歴(特に親との関係性)、社会性、対人関係、経済面、知的発達の問題を複合的に有していますが、メンタルの非専門家(内科医、看護師など)もそれらを十分理解し、チームカンファレンスで議論して方針や意思を統一することが大切です。

特に肥満外科治療では食行動や身体の変化が劇的であるため、術後のフォローアップ対策はより慎重になされなければなりません。一方で、患者さんは社会の構成員であり、家族の一員です(図2)。医療者は患者さんが受けている周囲のサポー卜を把握しつつ、患者さんが自立的な人生を歩めるよう、医療行為と傾聴·共感的態度で支援していきます。さらに患者さんの前向きな変化は医療者側にも喜びや自信を与え、医療チームの成長をもたらします。肥満症治療のチームは、患者さんを中心に、医療者、家族、社会で構成されているといえます。この中で、狭義の肥満症治療チーム(医療者間)を統括するのが内科医であり、家族や社会を含めた広義のチームの潤滑的役割を担うのがソーシャルワーカーやコーディネーターとなります。

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