肥満症治療の食欲抑制薬としてのマジンドールはどんな効果がある?

食欲抑制薬

マジンドールはどのような人に有効ですか。

マジンドールは、本邦では1992年に承認·発売された肥満症治療の食欲抑制薬です。中枢性のノルアドレナリンのシナプスでの再吸収を阻害し受容体神経活動を高めることで食欲中枢の抑制と満腹中枢の刺激を行い、食欲を抑制すると考えられています。

本薬は、食事療法及び運動療法の導入並びにそれらを習慣として維持·継続するための動機づけとして、短期的に用います。長期間使用すると無効となる例があり、また、その構造がアンフェタミンと類似していることから依存となる可能性もあるため、長期間の使用は、本邦では認められていません。

本薬の作用機転から、食欲中枢に障害のある肥満に対しても有効なことが知られています。なお、現在、マジンドールの適応はBMI35以上で1回の処方期間が14日、3力月を限度とすることになっています。

体重は、どのくらい低下しますか。

本邦での肥満度20%以上の肥満者を対象とした多施設二重盲検試験では、食事、運動療法に本薬を加えた3ヵ月の治療により、平均4.2kgの減量、平均8.1%の肥満度の減少が得られており、食事·運動療法のみによる1.2kgの減量、2.5%の肥満度の減少と比較して、減量効果は有意に大きいものでした。

また海外での試験のメタアナリシスにおいても、対照群で4%の減量であったのに対し、本薬の使用で9%の有意な減量効果が明らかとなっています。

本薬による減量効果には、β3アドレナリン受容体の多型が影響することも知られています。ただし、本薬中止後の体重の再増加が問題となることがあります。

合併症の改善は、期待できますか。

本薬の適応は、食事療法及び運動療法の効果が不十分な高度肥満症(肥満度が+70%以上またはBMIが35以上)における食事療法及び運動療法の補助であり、投与期間は3ヵ月に限定されています。したがって、本薬自体による代謝異常症などの長期的な合併症の改善効果を明らかとすることは困難です。しかし、本薬による減量により各種代謝指標の改善は予想され、実際、本邦では2型糖尿合併肥満患者に対し3ヵ月間本薬を投与し、減量、血糖管理の改善を認めたとする報告があります。ただし、メタアナリシスでは血糖管理の改善は明らかになっていません。

副作用には、どのようなものがありますか。

副作用発現率は21.4%(1,721/8,060例)であり、主な副作用としては、口渴感(7.1%)、便秘(6.4%)、悪心·嘔吐(4.2%)、胃部不快感(2.0%)等の消化器症状が認められます。また、その薬理動態から悪夢や不眠などの睡眠障害も2.1%報告されており、夕刻の投与は避けることが望ましいと考えられます。精神障害を有する患者では、症状の増悪、修飾を認めることがあるため、禁忌となっています。なお、本薬の薬理学的特性がアンフェタミンと類似していることから、依存性に留意する必要があります。また、重大な副作用として、肺高血圧症が報告されています。

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