肥満症患者の性格特性によってどんな治療法が行われる?

性格診断(心理テスト)を行うことで肥満症患者の性格特性を把握する

心理テストを行う前に、まず、詳細な生育歴と体重の変遷を聴取することから始めるとよいでしょう。つまり、患者さんがいつ頃から太り始め、いつダイエットし、リバウンドをしたか、体重は不安定に波を打っているのか、直線的に増加しているのか、経時的変化がひと目でわかるようにグラフ化します。このとき、体重変化が生じた時期にどのようなライフイベントが起きていたかも併記します。そうすれば、過食行動に走らせたストレス要因と体重増加の相関関係を把握でき、患者さん自身の「気づき」の有無、生活の変遷やその際の患者さんの行動パターンなどから、おおよその性格を把握することができます。そのうえで、より詳細な性格傾向を把握する方法には、TEG、P-Fstudyなどのアンケート様式の調査と、比較的客観的なロールシャッハ•テストがあり、能カテストとしては田中ビネー知能検査、WAIS等があり、これらを施行すると、より具体的かつ効果的な治療計画を立てることができます。

肥満症患者には、どのような性格特性がありますか

肥満症患者の性格特性をまとめたものに、Elfhagらのロールシャッ八·テストから分析したものがあり、「高度肥満患者における性格特性で共通して言えることは、感情面の困難さと情動コントロールやストレス解消法の困難さの二つの問題に収束する」と報告されています。

現在、本学会でも過去の高度肥満症例を分析した結果から性格特性をパターン化する試みを始めています。わが囯の報告では「八イラムダスタイル」があります。それは刺激を単純化して防衛する指標が高く、心理的葛藤があると、その葛藤を单純化することで現実問題から逃避する傾向があるといわれており、特に男性肥満の方に認めました。

肥満症治療では、どうして患者さんの性格特性の把握が重要でしょうか

肥満症の治療は、その病態の特性上、治療期間が長期にわたってしまいます。患者さんがモチベーションを保ちながら定期的に通院し、粘り強く治療を継続するためには、まず、良好な医療者-患者関係を築くことが求められます。性格特性を把握しておいたほうが治療者が対処するうえで有用で、治療の自己中断を防ぐことができると考えられるからです。

肥満症患者特有の性格特性を踏まえた治療への臨み方を教えてください

まだ確立されていませんが、臨床上、肥満症患者さんの性格特性には数種のサブタイプの存在が考えられています。その中で最も多いと思われるのは、現実を単純化し、問題から逃避したり、否認する傾向がある方たちです。一見、精神的には安定しているように見え ますが、実際は強い不安を抱え、そこから逃げようとして過食行動に走っていると想定されます。これには、治療を焦らず、不安要因を取り除く工夫をしつつ、本人が肥満に対して正面から問題意識をもてるようにサボー卜します。そのうえで専門的立場からの減量へのアドバイスを行い、支援をし続けるという方策が有効です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です