肥満症患者と接する際に注意すべきこと、生活習慣修正への導き

肥満症患者さんと接する際に注意すべきこと

対人関係が苦手な人もいます。まずはリラックスした雰囲気づくりをし、話を傾聴するところから始めましょう。自己表現できるよう、医療者からはオープンクエスチョンで問いかけます。その人が減量をしたいと思って来ているのか、合併症など別の治療目的で来ており減量も必要といわれているのかでは、その人の治療に取り組む姿勢やモチべーションに大きな違いがあります。合併症の治療がメインで仕方なく受診しているのであれば、いかに前向きに取り組んでもらうかが大きな課題となります。「合併症の改善のために一緒に取り組んでいきましょう」と合併症発症の辛さに共感しながら支援的な姿勢で関わることが必要です。そのうえで、減量自体にも目標がもてるように段階的に進めるとよいでしょう。

入院中に患者さんの生活習慣をつかむコツ

家での生活は、通常、患者さんを通してしか聞くことができません。入院中は普段とは違う特別な環境ですが、患者さんの行動の様子を直接観察できるチャンスでもあります。食行動、運動意欲、家族関係·家族との付き合い方、夜間の行動や睡眠パターンなどを観察しましょう。特に食事については、実際の場面を見てみると、食事スタイル(一口の量、噛む回数、食べる順番、かかる時間)、好き嫌いなどを把握できます。また、間食や夜食をせずに我慢ができるのか、それでストレスがたまるのか、イライラした様子があるかなども観察しましょう。

生活習慣の修正を働きかけるタイミング

肥満(もしくは肥満症)を解決したいと思い受診したのであれば、すでにかなりの動機を有していると考えられます。そうでない場合は、自分自身が状況を変えたいという思いを強くもたなければ行動を変容していくことは困難です。肥満症治療には強い意志が必要です。

動機づけには外発的動機づけと内発的動機づけがあります。内発的動機づけでは自己実現したいという動機があるため、持続力がありますが、社会的承認や就職など外発的に動機づけられるほうが強いきっかけとなります。特に大学入学や就職など社会的変化や周囲の環境変化があるときは、一番のチャンスです。そのタイミングを逃さずに、今回この方法ならできるかもしれないと自己効力感をもちながら挑戦できるようにサポートすることが効果的でしょう。

わがままな患者にはどのように接すればよい

わがままというのは、行動が自分勝手であること、自分の思うままに行動をすること(気ままであること)が評価されたものといえます。また、言動でも自己主張や自己顕示欲が強いと、わがままととらえられます。外来では問題行動が目立たなくても、入院治療になると支障がでる場合があります。社会性の発達や知的発達などに問題がある場合、できることや理解できることを客観的に評価しながら関わることも必要です。いずれにしても医療チーム内で患者さんに対する行動や対応にルールを決め、一貫性をもった関わり方をするとよいでしょう。その人にあわせて、「家族がそばにいるときは自由な行動ができる時間である」「看護師がゆっくりと話を聴けるのは毎日16:00~17:00だけである」など、患者さんに必要な情報もきっちり示してあげましょう。また、自分なりの考え方から正しいと思っている行動もあることを理解し、その場合は患者さんの認識をよく聴くことも大切です。

医療者の意識として、肥満症だけで入院した場合、病気で倦怠感があったり動けなかったりする人と比較してわがままに見えやすいこともあります。医療者に偏見がないかどうかも検討しましょう。

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