肥満患者さんの治療への意欲はどのようにして高めればよいですか?

Bob Anderson、Martha Funnellらは、「糖尿病等の治療·教育は、これまでの医療者が一方的に知識を与え管理することから、患者を経験をもった成人学習者として中心に置く共同的なアプローチに変えることで、患者の自己コントロールする力を伸ばすことができる」と述べています。その概念は、『エンパワーメント:その人が設定した目標が達成できるように、その人の能力を育成、発展、強化するために、第三者が機会や資源を提供すること』です。その展開としてFreire.Pが提唱した傾聴―対話―行動の3段階があります。

1)傾聴:患者の理解―患者さんの思いを傾聴する

高度肥満の患者さんは治療意欲が乏しいと思われがちですが、その原因として多いのが、さまざまな不安·ストレス·家族·社会背景等が複雑に絡み、その問題の対処行動や支援体制が不十分なことです。まず、今、それに立ち向かおうとしている患者さん自身の存在を理解し、認めてあげることが相互の信頼となり、エンパワーメン卜の基盤になります。ときに不安等の感情の表出もありますが、患者さんの真の気持ちを理解することで、次の段階に進むことができます。こうした対応は医療者の精神的負担が大きいため、医療チーム全体で対応することが必要です。

2)対話:チームで患者さんとの対話、承認に取り組む

外来や病棟で患者さんが食事·運動等の生活習慣の改善に取り組むなかで、小さな成功体験を積み重ね、自己効力感が芽生えるように支援します。対話を通じて、患者さんへの関心、積極的承認をチーム全体で継続的に実施することが重要です。患者さんの行動記録をそのためのツールとして活用している施設が多く、例えば、療養経過等を一覧できる『健康管理ファイル』を導入し、患者と共に現在の状況を見て、良い点は承認し、うまくいかないときは、一緒に振り返り、対策を考える姿勢をとります。

3)行動:自己効力感―自信を育み、行動する

これらの支援により、患者はその存在が認められ、自己効力感を高め、自信の回復へとつながり、患者さんが自ら、治療に参加できるようになります。

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