肥満は悪性腫瘍の発症リスクを高め、月経不順や妊娠高血圧·糖尿病、難産にも関連

月経不順

肥満は卵巣機能障害·月経不順の原因となります。生殖機能という点で妥当なBMIは、欧米では22~23と報告されています。内臓脂肪型肥満では高インスリン血症を来たすため、卵巣でのアンドロゲン産生が促進され、排卵障害·月経不順を引き起こすと考えられています。減量によって多くの場合、月経周期と妊孕能が回復します。現体重の5%以上の減量で月経不順の改善に効果のあることが報告されています。

妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、難産

肥満は、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、難産の危険因子です。BMI25~30の軽度肥満で、妊娠高血圧症候群はオッズ比1.44、妊娠糖尿病もオッズ比1.68と頻度が上がります。肥満に起因する難産では帝王切開施行率が高くなり、また肺塞栓を併発しやすく、死亡例のうちBMI28以上が80%を占めています。妊娠期間すべてを通して体重コントロールが推奨されます。

悪性腫瘍

肥満は、種々の悪性腫瘍の発症とも密接に関係することが明らかになっています。米国成人のコホート研究では、全癌死亡率はBMIが40以上の群で男性は1.52倍、女性では1.62倍と高率です。日本人を対象とした研究では、胆管癌は男女とも肥満者で有意に多く発生し、胆嚢癌は肥満女性の胆石保有者で発生率が高いことが報告されています。

大腸癌·肝癌も肥満度に比例して発症率が増加し、乳癌は肥満の閉経後女性で発症率が高いことが知られています。子宮内膜癌の発症リスクはBMI30以上ではBMI22.0~22.9に比べ4.5倍と報告されています。ただし、それぞれの癌の発生機序に肥満がどう関連しているのかや、減量による発癌の予防効果は、まだよくわかっていません。

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