肥満はどのような体質の関与がありますか?

運動をしたのに太ってしまった理由は

一番の理由は、摂取エネルギー制限が十分でなかったためと考えられます。多くは“空腹”と“思い込み”で食べる量が増えたからです。運動療法単独では減量効果に乏しく、過剰に摂取したエネルギーを消費するには不十分と認識しなければなりません。他の原因としては、運動時間が短かったり、ゆっくりした歩行やストレッチのみを行っていたりした可能性も考えられます。

また、十分な運動量にも関わらず体重が減らない原因として、レジスタンストレーニングの結果、筋肉量が増加した可能性も考えられます。定期的に腹部CTやインピーダンス法で体脂肪量•筋肉量を評価することが大切です。

ストレスと体重には関係があるか

ストレスは体重変動に大きな影響を与えます。肥満症治療では、患者さんから過去の体重変動時の生活状況や精神状態についても聴取し、体重増加に影響を与えたイベントや因子を分析し、共感を示しながら治療を進めることが重要です。さらに、対処法についても、患者さんとともに模索することが望まれます。

やせにくい体質があるといわれている

肥満に関しては、遺伝的要因が25%で、残りの75%が食生活•運動などの生活習慣によるとの報告があります。日本人では熱産生を促進するβ3アドレナリン受容体遺伝子に変異(Trp64Arg)を持つ人が34%おり、これらの人は持っていない人に比べ、基礎代謝量が200kcal/日低いため、やせにくいと考えられています。このほかにも基礎代謝量に影響する肥満関連遺伝子があります。したがって、体質も無視はできませんが、生活習慣がより強く関与しています。

水を飲んでも太るという患者さんもいる

水を飲むだけでは太りません。患者さんの体重が増加したのはエネルギー成分の過剰摂取のためです。一般に肥満症患者は、食べたという実感に乏しい特徴があります。したがって、「食べたでしょう」と質問すると、「食ベていない」「私は水を飲んでも太る体質だ」などの返事が戻ってきます。そのような方には、起床時、寝る前、毎食前後に体重を測定し、グラフにしてもらうことなどにより、自身の体重変動が食物摂取と関係している点に気づいてもらうことが大切です。

外科治療は選択肢に入れるべきですか

内科で診ていても改善しない、または減量できない高度肥満に対して、外科治療は有効な減量手段の一つです。しかし、手術後のフォローアップが重要で、食事療法を継続しつつ、合併症の経過観察も十分に行う必要があります。手術をしても、生活習慣が変わらなければ、数年後にはリバウンドが起きてしまいます。栄養障害や精神的トラブルなどが出現することもあるため、外科医のみならず、内科医•精神科医•管理栄養士•看護師•臨床心理士などが参加したチーム医療体制を整えておくことが必要です。

米国では2009年の糖尿病治療ガイドラインに。「食事療法や薬物療法にて血糖コントロールができない肥満2型糖尿病患者に対しては、胃切除術などの外科的手術(メタボリック.サージャリー)も考慮される」と記載されています。今後は、日本でも肥満を合併した糖尿病患者に対し、内科的な減量治療で十分効果の得られない場合は、外科治療も選択肢になると考えられます。

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