肥満と肥満症に関する定義、両方はどんな区別がありますか?

肥満と肥満症を区別すること

日本肥満学会は、肥満を単に体重が重いという意味の「肥満」と、医学的に減量を必要とする「肥満症」を区別することを提唱しました。これは世界でも初めての試みで、これまで暖昧であった医療介入が必要な減量治療対象者を、外見あるいは美容目的の減量対象者と区別し、肥満に関連する疾患の予防と治療を積極的に行い、国民生活の向上をめざすものです。

両者を区別することにより、個人の問題にとどまらず社会的にも損失を与える「肥満症」を、個人の責任として放置せず、医療介入の必要な疾患として診療に取り込むことが可能となりました。日本肥満学会では、まず、肥満の程度、状態を表す指標として「肥満」が定義され、次いで、その中で治療対象となる「肥満症」を定義しています。

肥満の定義

肥満は、体格指数[Body mass index(BMI)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)]で求めます。肥満度は、BMI(kg/㎡)の値により、18.5﹥低体重、18.5≦普通体重﹤25、25≦肥満1度﹤30、30≦肥満2度﹤35、35≦肥満3度﹤40、40≦肥満4度に分類されます。なお、BMI35以上を「高度肥満」と呼びます。

肥満症の定義

肥満症とは、「肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併症が予測される場合で、医学的に減量を必要とする病態」(日本肥満学会)をいい、疾患単位として取り扱います。

肥満症の診断

肥満(BMI≧25)のうち、以下のいずれかの条件を満たすもの。
1)肥満に起因ないし関連し、減量を必要とする(減量により改善する、または、進展が防止される)もので、健康障害のあるもの

2)健康障害を伴いやすい肥満(ハイリスク肥満)計測 (ウエスト周囲長)で上半身肥満(内臓脂肪型肥満の疑い)があり、腹部のCTで内臓脂肪型肥満と診断(確定診断)されたもの

肥満に起因ないし関連し、減量を必要とする健康障害

Ⅰ.肥満症の診断基準に必須な合併症

1)    耐糖能障害(2型糖尿病·耐糖能異常など)
2)    脂質異常症
3)    高血圧
4)    高尿酸血症•痛風
5)    冠動脈疾患:心筋梗塞·狭心症
6)    脳梗塞:脳血栓症·一過性脳虛血発作(TIA)
7)    脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患/NAFLD)
8)月経異常、妊娠合併症(妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、難産)
9)睡眠時無呼吸症候群(SAS)·肥満低換気症候群
10)整形外科的疾患:変形性関節症(膝、股関節)•変形性脊椎症、腰痛症
11)肥満関連腎腱病

Ⅱ.診断基準に含めないが、肥満に関連する疾患

1.良性疾患:胆石症、静脈血栓症•肺塞栓症、気管支喘息、皮膚疾患(偽性黒色表皮腫、摩擦疹、汗疹)
2.悪性疾患:胆道癌、大腸癌、乳癌、子宮内膜癌
※脂肪細胞の量的異常がより強く関与(日本肥満学会:肥満症診断基準2011より引用)

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