肥満と肥満症が区別して定義される必要性、内臓脂肪量の測定方法

肥満と肥満症の定義の違い

肥満は「体脂肪が過剰に蓄積した状態」ですが、必ずしも代謝異常を伴わない人が多数存在します。そのような人は、医学的見地からすれば、減量治療が必要とはいえません。

一方で、肥満の程度が軽くても、代謝異常などの健康障害を有する人が存在することが明らかになっています。そこで日本肥満学会では、健康障害の予防と改善のために減量治療を必要とするものを「肥満症」と呼んでいます。

「肥満症」を「肥満」とは別に定義しているのは、医療介入が必要な肥満者を抽出することを狙いとしているからです。また、単なるやせ願望による減量を医療から排除することも目的の一つです。

肥満症の中に合併症がみられないものもありますか

あります。なぜなら、肥満症のなかには、すでに健康障害を伴うものだけでなく、将来、合併症を伴いやすいハイリスク肥満として「内臓脂肪型肥満」も含まれるからです。「肥満」とは別に「肥満症」を定義した目的は、前述したように、肥満者のなかから医療介入による減量の必要な人を抽出することですので、現在合併症がみられなくても、「内臓脂肪型肥満」であれば近い将来合併症の発生が予測されるため、「肥満症」となります。

内臓脂肪量を測定するには、どうすればよいですか

内臓脂肪量を推定する方法としては、腹部CT検査の臍レベル断面像における脂肪面積によるものがあります。わが国では男女とも100cm2をカットオフ値とし、100cm2以上を「内臓脂肪蓄積」と判定しています。その根拠は、臍レベル断面の脂肪面積が100cm2を超えると、合併症の数が平均で1を超えるからです。

CT検査ができない一般診療所や検診施設では、ウエスト周囲長(臍周囲長)を用い、男性85cm、女性90cmが基準値になります。この基準値が、それぞれ内臓脂肪面積100cm2に相当します。なお、女性の基準値が男性を上回っているのは、女性は皮下脂肪が多いためです。

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