肥満との関連が強い整形外科的疾患のこと

1)変形性関節症(膝·股関節)

一般的に股関節症よりも膝関節症のほうが肥満との関連が強く、女性でより肥満の影響が大きいといわれています。変形性関節症は関節軟骨や骨に変形を来たす疾病ですが、多くで関節液の貯留がみられ、疼痛を伴います。診断は、臨床症状とX線による画像診断により可能です。

変形性関節症の主因は加齢ですが、下肢の関節には歩行時に体重の3倍以上の負荷がかかるため、その負荷を増大させる肥満が発症の危険因子となります。変形性膝関節症については、体重を10%減少させることにより、症状が平均28%改善したとの報告があり、また、メタアナリスでは20週間に5%以上減量すると、自覚症状(疼痛と不具合)の改善が認められたとの報告があるなど、減量による症状改善が期待できます。

2)変形性腰椎症

変形性腰椎症は、加齢ともに進行する腰椎の変形性変化で、椎間板の変性、骨棘形成、椎間関節の変性などが生じます。その症状は腰痛が主で、長距離歩行時、長時間の同一姿勢、転倒、重いものを持ったときなどに生じます。下肢痛やしびれ、冷感、知覚鈍麻などの神経症状(坐骨神経痛)、筋力低下などが出現した場合は、腰部脊柱管狭窄症による馬尾や神経根の圧迫が考えられます。肥満と変形性腰椎症とは関連が認められており、減量は特に初期治療として有効なことがあります。

3)腰痛症

腰痛症とは、骨関節の形態に明白な異常がなく、軟部組織が原因と考えられる腰痛です。腰部の筋肉や筋膜の疲労が原因で起こる単純性腰痛症は、肥満と関係があり、減量治療によって軽減することが報告されています。

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