患者さんに減量意欲を持たせるコツ、また患者さんをサポートするキーパーソンは

患者さんに減量意欲を持たせるコツを教えてください。

生きがい

人は健康でいるためだけに生きているわけではありません。むしろ、仕事や趣味などにおける人生の目標に生きがいを感じ、しばしば、健康を犠牲にしてでもその目標を追求することがあります。したがって、行動改善への動機づけを効果的に支援するには、医療従事者は、患者さん本人が最も生きがいを感じている事柄と行動改善に強いつながりを見いだせるように手助けする必要があります。それがたとえば精力的に仕事をしていくことなのか、子どもの成長を見守りながら家族と穏やかに暮らしていくことなのかなど、患者さんの人生において大切にしたいことはどんなことなのかを一度立ち止まってじっくり考えてもらいます。そのうえで、現在の状況が自分の人生を望む方向に向かうことを促進するのか、妨害するのかを一緒に検討する機会をもつとよいでしょう。セルフケアに取り組むことが患者さん本人の生活の中のどんな“よいこと”につながっていくのか、よく相談し、明確にすることが動機づけを高めることに役立ちます。

ドロップアウトしそうになった患者さんには、どのように接すればよいですか。

前で述べた話し合いは、治療に迷ってしまったとき(うまく進まないとき)の“北極星”としての役割をも果たしてくれます。取り組みが続かないときや、セルフケアへの動機づけが弱まってきたとき、医療従事者と患者さんが共有した「人生の(もしくは生活の)何を守るためにセルフケアに取り組むのか」を改めて確認することは、進むべき方向を再確認し、意欲を取り戻すことにつながります。

また、さらに具体的な予防策としては、次の診察までに取り組む課題を紙に書いたり、その実施度合いを記入するシートを用いるなどして、アドヒアランスを保持できる実際的な工夫を用いることも有効です。

患者さんをサポートするキーパーソンはどのようにして見つけるとよいでしょうか。

支え方

一般的には、一緒に暮らす配偶者などの家族が重要な役割を果たすことが多いと思われます。しかし、身近な人は、患者さんの行動を援助する場合だけでなく、障害となることもあるので、慣例的な観点からキーパーソンを選ぶことは避けたほうがよいでしょう。「誰にどんなことをしてもらうのが自分の支えになりそうか」などを患者さん自身に考えてもらうことが、セルフケアの取り組みに有効に機能するキーパーソンを探すことにつながる場合もあります。

キーパーソンを有効に生かすには、どうすればよいですか。

生活習慣を変容させることは容易ではありません。その取り組みを実行するなかで、診察時に相談やアドバイスを求められる頻度は、せいぜい週1度だったり、数週間に1度でしょう。患者さんが自分だけでセルフケアに取り組む時間のほうが何倍も長いのが普通です。その時間を、キーパーソンなど患者さんを取り巻く人にうまく支えてもらうことは、生活習慣変容に取り組み、その取り組みを継続するうえで、非常に重要な土台となります。具体的な内容は、表2でご確認ください。

なお、キーパーソンと医療者が連携を保つために健康管理ファイルを用いると、情報をわかりやすく共有でき、医療者との間の齟齬を防止し、共同でサポートするためのツールになります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です