内臓脂肪型肥満の基準値、なぜ内臓脂肪は危険なのですか?

内臓脂肪型肥満の基準値

健康診断のデータをもとに肥満関連危険因子をもつための閾値を求めると、日本人を対象とした成績の多くで、ウエスト周囲長(臍周囲長)が男性85cm前後、女性80cm前後を示します。しかし、健康障害のうち動脈硬化に起因する疾患の発生率は、女性が男性の3分の1であり、また、この20年間で全体的に痩せ傾向にある日本女性を母数としたとき、体重の平均値は年々下がる傾向にあり、その集団での閾値は当然、しだいに低下します。それに合わせて閾値を下げると、女性の体重減少をますます促すことになり、問題となっている痩せによる月経不順、低体重児出産などをさらに助長するとの懸念があります。そのため、日本肥満学会は女性の内臓脂肪面積100cm2に相当するウエスト周囲長(臍周囲長)90cmを内臓脂肪型肥満の基準値として採用しており、本学会もそれを踏襲しています。

なぜ、内臓脂肪は危険なのですか。

内臓脂肪組織と皮下脂肪組織では、生理活性物質(アディポカイン/アディポサイトカイン)の分泌動態が異なり、内臓脂肪細胞のほうが直接的•間接的に、糖尿病、高血圧、脂質異常を来たしやすいとされています。すなわち、内臓脂肪細胞は、TNFα、IL-1、IL-5、アンギオテンシンノーゲンなどの催炎症作用物質、インスリン抵抗性物質を多く分泌し、逆に抗炎症作用やインスリン感受性増強作用のある善玉のアディポネクチン分泌が内臓脂肪増加により低下すること、また、マクロファージがより多く含まれることから、糖尿病、高血圧、脂質異常発症の一翼を担っているともいわれています。

内臓脂肪組織、特に腸間膜脂肪組織は、解剖学的に腸管で吸収された栄養成分が通過する最初の臓器であることから食事摂取の影響を受け、急激に肥大しやすいともいわれています。

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