プラダー·ウィリー症候群の例とうつ病を合併している例

プラダー·ウィリー症候群の例

プラダー·ウィリー症候群では、精神遅滞や易怒性、満腹感欠如から難治性肥満を呈します。根治療法はなく、思春期以降は心不全や2型糖尿病(T2DM)を高率に合併します。主に父由来の15番染色体q11-q13領域欠失によって、肥満、低身長、性腺発育不全、精神発達遅滞を生じ、発生頻度は1.5万人に1人です。乳児期までは筋緊張低下に伴う発育不良があり、幼児期から肥満が出現し、しだいに増強します。精神遅滞や特異な性格のため、思春期以降は食事·運動療法が困難です。予後不良で、多くは30歳以前に死亡します。

対策として、早期診断、肥満予防が最も大切です。過食にマジンドール、低身長に成長ホルモン、強迫性性障害·自傷行為に抗うつ薬、T2DMにGLP-1作動薬が用いられる場合があります。症状は多岐にわたるため、チーム医療が欠かせません。

うつ病を合併している例

古くから「肥満傾向にある人は陽気で明るい」とイメージされることが多くありましたが、近年の研究においては、肥満症にはうつ病の合併が多く、BMIの上昇に伴い大うつ病エピソードの合併率が上昇するという報告もあります。また、肥満症患者のストレス脆弱性を指摘している報告も多く、日常生活や対人関係においてストレスを感じやすく、その対処方法が不適切なため、いらだちや不安、抑うつなどから食欲が亢進し、体重増加に繋がると考えられています。さらに、情報収集が不適切で、判断が主観に偏りやすく、物事を計画的に進めることが不得意な傾向があるため、治療においても誤った情報を取り入れて自己流の偏った食事をしたり、生じた問題を主観的に判断して誤った対処をしたりすること も多いようです。

うつ病を合併している場合は、教育的指導を行ってもうまくいかないことが多く、肥満症の治療とうつ病の治療を併行することが重要です。抗うつ薬や抗不安薬などの薬物療法が主となりますが、三環系抗うつ剤などの薬剤による食欲亢進などの副作用も認められるため、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などの、比較的体重増加に関連しない適切な薬剤を選択し、気分の安定を図るとともに、個々の問題点に沿った指導·行動修正を行い、規則正しい食生活および生活習慣へと改善を図ることが効果的です。

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