フォーミュラ食によってPSMF療法はどのように行うのですか?

3食をフォーミュラ食に置き替えることも可能ですか。

栄養学的には可能といえます。元来、フォーミュラ食はPSMF療法(VLCD療法)のために開発されたもので、1日3~4回の実施により完全に必須栄養素を摂取できるようにつくられています。1日3回の実施で250~300gの体重減少が期待でき、1か月で5~1Okgまでの減量が得られます。しかし、遵守率が問題であり、患者さんによく説明し、同意を得たうえで、十分な観察のもとに行います。

実際のPSMF療法(VLCD療法)はどのように行うのですか。

高度肥満で急速な体重減少を必要とする場合に行います。方法は一例を示すと、まず、1日あたりの総摂取エネルギー量として25kcalx標準体重(kg)から開始し、その後、1日3食のうち、1回をフォーミュラ食に、次いで2~3日ごとに回数を増やし、1日3回とします。標準体重(BMI=22kg/m2相当)が60kg以上の場合は1日4回にします。これは蛋白量1.0g/kgを維持するためです。継続期間は1~3週間とすることが多いものの、必要に応じ、2~3か月間まで可能との報告もあります。

なお、PSMF療法(VLCD療法)実施の際は、尿からの尿酸及びケトン体の排泄が低下し、それらの血中濃度が増加します。排泄を促進させるため、水分を1日2リットル摂取する必要があります。中止するときは、2~3日おきに1袋ずつ減らしていき、1日1,200~1,600kcal食に戻します。肥満症患者のなかには精神的に不安定な気質を有している人が多く、VLCD中に精神症状を訴える場合もあるため、心理面のサポートは必須で、精神科医あるいは臨床心理士の関わりが必要です。

1日1回の場合、朝·昼·夕のいつが有効ですか。

3食のなかで最もエネルギー量の多い夕食に替え、フォーミュラ食を摂取するのが効果的です。また、昼食より朝食時のほうが高い減量効果を得られるとの報告もありますが、継続利用が最も可能なときに施行することが優先されます。

特に有用な適用例は、どのような場合ですか。

肥満により尿蛋白が出現する、いわゆる肥満関連腎臓病が注目されていますが、放置すると、腎不全に陥ります。フォーミュラ食による減量はこの肥満関連腎臓病に有用で、尿蛋白及び尿中微量アルブミンの排泄が低下するとの報告があります。脂肪肝や睡眠時無呼吸症候群も著明に改善します。肥満が原因で心不全を起こしている例で急速に減量が必要な場合にち有効です。糖尿病合併肥満者へのフォーミュラ食1回/日では、体重1%減少当たりの内臓脂肪量、HbA1c、中性脂肪値の改善度が一般食に比し、より有効との報告もあります。

わが国でも行われ始めた肥満外科手術に際して、術前の急速減量及び、術後長期にわたる栄養バランスの乱れを補正するためにも、フォーミュラ食は用いられます。このように多くの合併症の改善に有用なため、また、肥満外科治療にも欠かせないため、肥満症治療に携わる医師はフォーミュラ食の使用に精通していることが望まれます。

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